コウゾを育てて紙をすこう!~コウゾの収穫と表皮とり

 1月16日(火)、常陸大宮市立山方小学校にて「コウゾを育てて紙をすこう!」の3回目を実施しました。今回も本西の内紙保存会の菊池三千春さんにご協力をいただき、まずはコウゾの収穫の仕方から。枝切ばさみやのこぎりなどをご用意いただき、やってみたいと手を挙げた児童と収穫体験。繊維がしっかりしているので、太い根本はなかなか切れずに力がいりました。

 収穫したコウゾは煮て皮をむきます。今回は、児童全員が皮むきを体験できるよう、予め煮て準備しておいてくださいました。

 蓋をあけるとしっかりゆだったコウゾの束が。立ち上る湯気とともに、児童からも「おー!」と声が上がります。この冬一番の寒さともいわれた今日、「なかなか煮えずに焦りました」と菊池さん。子どもたちが登校する前から準備をしてくださいました。

 アツアツのコウゾを注意して手にとると、茶色の皮と内側の白い部分がずれているのがわかります。少し手を加えるだけで、するするっと剥ける皮に、児童からはまたもや「おー」という歓声が。

 さあ、今度は子どもたちの番です。みんなそれぞれ手にとって、ひっぱったりねじったりして皮を剝がします。根元がどちらだったかを覚えておくこと、むいた皮が筒状にならないようにすること、できるだけ熱いうちに作業をすること・・・アドバイスをいただきながら皮をむいたら、ここからがまた一仕事。「表皮とり」の作業です。

 表皮とりには、こんな道具を使います。どうやって使うのか、やり方を見せてくださったのは、NPO法人美和の森の石井聖子さん。

 藁の斜めになっている部分に皮をあてて、ナイフでなぞるように表皮を削りとります。やり方がわかったら、4年生から6年生の縦割り班に分かれて、みんなで順番に体験活動。大人の見守りでナイフを注意深く扱いながら、真剣な表情で丁寧に作業をする様子が印象的でした。「きれいにむけると気持ちいい!」「干し芋みたい!」「乾燥するとむきづらいね」「もう一回やりたい!」みんな率直な感想を聞かせてくれました。

 風に吹かれて寒い中でしたが、先生方も一緒になって、地域の方に教わりながらの体験活動。児童も教師もみんな一緒に新しいことを体験的に学ぶのは、なかなかない貴重な機会かも知れません。

 本日の成果物。黒い表皮と内側の白い皮、こんな風になりました。

 皮をはがした後のコウゾは、白く綺麗でツルツルです。昔はよく焚き付けに使われたそうです。

 さて次回はいよいよ紙すきです。表皮をとった白皮が、どんな風に紙になるのかな?

特定非営利活動法人トモニトウ

身近な友に問いかけるような気軽さで、よりよい社会や未来の在り方を共に問い合いたいーそんな思いで、さまざまな立場の方々と教育や地域について考え行動する機会をつくります。

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