私たちのこと

設立趣旨

少子高齢化や地域のつながりの希薄さなど、時代の変化によってもたらされた社会課題の解決に向けて、教育に期待される役割はますます大きくなっています。新学習指導要領では「社会に開かれた教育課程」の実現が求められ、「よりよい学校教育を通じてよりよい社会を創る」という理念を学校と社会とが共有するよう述べられています。これからの学校教育においては、今以上に地域との連携・協働が期待され、目指すべき教育を実現するためには地域とのつながりが欠かせなくなります。

 そこで私たちは、地域と学校をつなぎ、様々な立場の大人たちが教育について考え行動できる機会を創出するための活動を行います。地域の子どもたちに育みたい資質・能力を学校と共有し、地域資源や地域で活躍する人たちと学校をつなぐプラットフォームの役割を担います。必要だと思われるアイディアを進んで提供し、学校をはじめとする様々な機関と協働しながら、教育を通じて希望の持てる社会の実現を図ります。

 さらに私たちは、学びや体験の場を独自に用意することで、子どもの内面的な成長に直接貢献したいと考えています。文部科学省による最近の調査では、自然体験や社会体験の機会に恵まれた子どもは家庭の経済状況に左右されることなく自尊感情が高まると報告されています。子どもが成長する場においては、知識・技術の習得だけではなく自己肯定感や有用感を高める機会が不可欠です。どのような生き方を選ぶにしても、何よりまずは自分自身を認め、生きていくことそのものを肯定できなければなりません。学校と地域をつなぐことで学校での学びが社会に開かれ豊かになるのと同時に、学校だけでは担いきれない子どもの成長に寄り添える場を作りたいと考えます。自然や場の力を借りながら、地域で活躍する様々な立場の人たちと関係を深め、子どもを取り巻く環境の改善や大人どうしの生活文化に係るコミュニティづくりにも積極的に取り組み、学校を支える地域全体の力も高めていきたいと考えています。

 地域には、様々な知恵や技術を持つ人たちがいます。教育分野だけでなく、多くの立場の人たちがそれぞれの経験や知識、専門性を持ち寄って各教育機関等と対等に手を取り合えるよう、私たちは特定非営利活動法人として活動することにしました。学校と地域の連携が一層求められている今、子どもや学校を取り巻く新しい関係性を地域に育みたいと考えています。そこから派生する活動の広がりも視野に入れながら、子どもはもちろんのこと様々な立場の人が力を活かし合いよりよく生きていける地域社会を目指します。(令和3年12月)