ともに話す#7「子どもに伴走する大人たち」

 オンライン対話イベント「ともに話す」は、気軽にご参加いただき、対話を楽しみつつ、目指すべき教育について考えることを目的としています。今年度は、子どもたちを伴走するとはどういうことなのか考え、ひとりひとりができることを見つけることを目指します。

 毎回、会員の中から基調となるお話をするゲストをお願いし、その話をスタートとして参加者みんなで作る80分の対話です。

 12月3日に実施した第7回「ともに話す」では、ゲストに北村直子さん(NPO法人リヴォルヴ学校教育研究所 事務局長)安富悠介さん(小学校教諭 SEL教育を実践)を迎え、13人の参加者とともに学び多きの豊かな時間を過ごすことができました。

 この日のテーマは「子どもに伴走する大人たち」。北村さんはリヴォルヴ学校教育研究所で小学校一年生から中学校三年生まで、幅広い発達段階の子どもたちと日々関わっています。その中で、具体的な子どもの言葉や場面を挙げながら「伴走」について想いを語ってくださいました。大きく成長したお兄さんから「僕にも同じときがあったよ。」と小学生のその子の今を肯定的に受け止める語りかけがあったり、親に対して周りの子どもたちが、「ここは安心して居ていい場所だよ。」と伝えていたり。「伴走」とは、大人から子供の一方向だけでなく、子ども同士や子どもから大人へもあるということに気付かせていただくお話でした。

 安富さんからは、SEL教育についてお話いただきました。教師と教師、教師と子ども、子どもと子どもの関係の質を高め、心理的安全性を高めていくために安富さんや学校の同僚たちが行っている、SEL教育の実際を学ぶことができました。その中で「相手の内面を大切にする」「相手の価値観を尊重する」というように根底に相手意識をもつこと、子どもの自身の内面への気付きを促すこと、そのための教師の問いかけなど、やはり「伴走」の在り方を考えるきっかけとなるお話をいただきました。

 その後、ブレイクアウトルームに分かれてそれぞれ対話をしました。

・伴走への熱意、「「子育て世代」から「子育ち世代」へ、「子育てられ世代(子に育てられている)」など、対話の中から新たなワードが出てきました。

・SEL教育の効果や子どもに伝えるということの実際など、ここでしか聞けないお話を質問形

式で安富さんにお答えいただきました。

最後に、ゲストのお二人からいただいた言葉です。

北村さん:「居場所は、居ていい場所」物理的な場所でなく、安心できる居場所をつくっていくことが大切なのではないか。

安富さん:教師自身がマインドフルな大人であること。子どもの周りにいる大人の姿を、子どもたちが見て感じるのではないか。

ゲストのお話をきっかけとして対話で深まるよい時間はあっという間でしたが、お二人方いただいた最後の問いで頭と心が熱くなった学び多き80分間でした。 

以下は、参加者した皆さんの感想です。(抜粋)

【対話を通した気付きや学び】

・多様な子にどのような場所が必要なのか、そして、子どもの横に立って一緒に考えることの

大切さを感じた。

・子どもたちからどう学ぶか、その姿勢を大切にしたい。

・子どもへの声掛けの言葉選びや、信頼をベースとした在り方。

・伴走として、「心を寄せること」

・自由進度学習やselなど、子どもたちの未来の姿を思い浮かべてチャレンジし続ける姿を見

習いたい。

・子どもの感情を大切にして、その行動の背景に何があるのかに気付ける教師でありたい。

【これから意識したり取り組んだりしていきたいこと】

・マインドフルネスがきっかけトークにあがってたが、SELのいろんなプログラムをやってみたい。

・子どもの感情に寄り添い、一緒に考えていきたい。学級でどのような姿を見せたいか、クラ

スの一員として少しイメージが持てた。1対1から全体へつなげる場を作っていきたい。

・日々、子どもたちの伴走者であれ、と意識しないと、どうしても上から目線になってしまう。意識しなくてもできるまで、体に叩き込みたい。

・相手の心に私の心を寄せ、事実そのものではなく「感情」や「願い」に目を向けること。

※「ともに話す」の今後の予定は以下の通りです。皆さまのご参加をお待ちしています。

  第8回  2月 2日(金)20:00~21:20

  「子どもの事実に始まり、子供の事実に返る」

  ゲスト:木村泰子さん(大阪市立大空小学校 初代校長)

特定非営利活動法人トモニトウ

身近な友に問いかけるような気軽さで、よりよい社会や未来の在り方を共に問い合いたいーそんな思いで、さまざまな立場の方々と教育や地域について考え行動する機会をつくります。

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