コウゾを育てて紙をすこう!~コウゾの成長とお手入れ

 6月21日(水)、本西の内紙保存会の菊池三千春さんから夏の間のコウゾの手入について説明をしていただきました。常陸大宮市立山方小学校で年間を通じて実施予定の「コウゾを育てて紙をすこう!」の一コマです。

 活動は、4・5・6年生の縦割り班で実施されていますが、この日は代表して6年生が説明を聞きました。写真は、数年前に植えられたという校舎前のコウゾです。日当たりがよいからか、ぐんぐん育っている様子。残したい枝を考えながら余分なものを根元から切って、本数を調整しました。これから脇芽が生えてくるということで、芽かきの仕方も教えてもらいました。

 切ったコウゾを手に持って「こんな大きいよ!」と背比べする子、小さな芽を恐る恐るかいて「なんかベタベタするね」と不思議そうに自分の指を見つめる子。「いつも校庭の隅にあったけれど特に気にも留めていなかった」植物と、改めて出逢い直しているような印象でした。実際に手に触れてみることで、コウゾを少しだけ身近に感じられたかも知れませんね。

 6年生が教室に戻った後は、4月にみんなで植えたコウゾの生育状況を確認。こんな感じで成長しています。

 校舎前の年代物とは違い、まだ小さくて頼りなく感じるものの、ちゃんと育って葉を茂らせています。同じ「コウゾ」のはずなのに、他の苗木と比べて見ると葉っぱの形がそれぞれに違っている様子。菊池さんが「梶との交配で、それぞれ違う形を持つようになったのでしょう」と教えてくれました。よく観察すればするほど、愛らしく興味深い植物です。

 同じ時期に種をまいたトロロアオイは、こんなかわいらしい芽を出していました。

 こちらも紙すきには欠かせない大事な植物。根っこの粘液が繊維をつないで丈夫な和紙を作ってくれます。「『葵の御紋』で有名な葉っぱがこれですね」「オクラのような花が咲くんだよ」「どんな植物か子どもたちに見てもらいたいね」と、小さな芽を眺めながらワクワクする大人の私達。

 それぞれの植物たちが持つ個性が、人間の知恵と経験によってどのように生かされていくのか、「和紙」になるまでのプロセスの中で見えてくるものが今からとても楽しみです。

特定非営利活動法人トモニトウ

身近な友に問いかけるような気軽さで、よりよい社会や未来の在り方を共に問い合いたいーそんな思いで、さまざまな立場の方々と教育や地域について考え行動する機会をつくります。

0コメント

  • 1000 / 1000