ともに話す#1 子どもたちにとって安心な居場所をつくる伴走者とは?

3月26日(土)「ともに話す」の第1回を開催しました!「ともに話す」は対話や講義を通して、広い意味ではありたい社会の実現に向けて、具体的にはこどもにとって居心地の良い教育のあり方について学びます。参加者の一人一人が一歩踏み出せる勇気を得られるといいなという願いを込め、今回は「不登校ゼロ」の大阪市立大空小学校初代校長、木村泰子さんを講師としてお迎えしました。

※木村泰子さんの詳細プロフィールは下記をご参照ください。

https://gendai.ismedia.jp/list/author/yasukokimura

オンラインで開催をしたため、参加者は茨城県の他に千葉県、東京都、大阪府、神奈川県、長野県、北海道と全国から集まりました。教員を中心とした、教育に関心のある保護者、幼稚園の先生、NPO職員、行政職員、地域おこし協力隊など20名ほど、多種多様なメンバーで学びを深めました。学校を、教育をよくしたいといった同じ思いをもつ参加者が集ったため、とても温かく和やかな雰囲気でイベントは進みました。


講演のテーマは、「子どもの伴走者」。学びや響いた言葉が多くまとめきれないのが正直なところなのですが、その一部を紹介させていただきます!


「みんなの学校って一言でいうと、「自分がつくる自分の学校」なんです。」

「学校で働いている私たちの一番てっぺんにある目的は、たとえば大空小学校ならすべてのこどもが安心して学べる自分の居場所を「自分で」見つけること。」子どもが壁にぶつかった時、大人としては「いい先生になろう、いい母親になろう」とそれを代わりに解決しようと行動をしたり、自分自身の指導力を高めようと奮闘すると思います。しかし、木村さんは言います。「いい先生になろう、いい母親になろう」これが主語の間は子どもたちがこっち向いてくれない。」


大切なのは3つの問いかけ。そっとそばにいながら「大丈夫?」「何か困ったことある?」「私たちにできることある?」

こんな事例がありました。大空小学校で数学の授業で暴れてしまう学生がいました。始めは暴れることを止めようとしてましたが、1時間近く暴れ続ける行為は続きました。理由も教えてくれません。ある時、木村さんは職員室の真ん中に殴る蹴るをしてもけがをしない段ボールを置き、「思いっきり暴れていいよ」と声をかけそばで見続けます。すると15分程暴れるとおさまり、その後一切暴れなくなり数学の時間校長室で静かに過ごすようになったそうです。木村さんはそばにいながら「大丈夫?」「何か困ったことある?」「私たちにできることある?」と問いかけを続けましたが返ってくるのは「別に」という回答。しかしある時、「おれ、いいことおもいついた!」と内容は教えてくれなかったののの、それ以降校長室には来なくなりました。後日教室を見に行くと、周りの友人に「わからないとこ教えて!」と積極的に学ぶ姿をみたとのことです。


教えるプロから学びのプロになること。子どもにとって安心な居場所づくりに欠かせないのは「大人のチーム力」

不登校、いじめ、自殺の子どもの数が過去最多の社会の中で、そうした問題ゼロの大空小学校。驚くのは「職員室が一番安心できる居場所だった。」というの子どもたちの言葉です。「どんな困ったことがあっても、大空の職員室に行けばなんとかなるから。」誰か一人の先生を名指しするでもなく、職員室の「大人たち」に対する信頼を感じる言葉です。このような「大人のチーム力」はどのように培われたのでしょうか。木村さんは言います。「子ども変える前に、大人が変わる努力をしなければ。」そう思いチームの中で弱音を言い合い、話し合い、「子どもを主語にするためには」ということを共に考えたそうです。子どもに「一緒に考えよう!」と声をかけ、動きが止まっている時は「何かできることある?」と寄り添うことで学びのプロに生徒と共になっていた様子がうかがえました。


「トモニ」について問う。この言葉が目指す関係性とは。

「今のこどもたちに求められる力って。「多様性」「共生」「想定外」に対応していく力」と木村さんは言います。また、「文句を意見に変える力」を育むこともに力を入れていたそうです。大人の不用意な発言や表情が、子どもたちの違いに格差をつけることがある危うさに触れたうえで、「トモニ」という言葉について「人それぞれの違いをお互いに尊重しあい、対等な関係でつながることではないか。」と定義しました。そして、こうした言葉を自分なりに日々問い直していくことが大切、と話しをしめくくりました。


講義のあとはグループに分かれての対話や、質疑応答で学びを深めていきました。木村さんの言葉に涙する参加者もおり、イベント終了後のおしゃべりタイムが予定より30分ほど延長になるなど大変濃い時間でした。木村さん、参加者の皆様、誠にありがとうございました。


今後のイベントについて

7月2日(土)には茨城県ひたちなか市文化会館で、みんなの学校2022上映実行委員会による「みんなの学校の映画上映+講演」のイベントもあります!木村泰子さんのお話を直接聞くチャンスです!気になる方はぜひ、下記公式HPよりお申込みください♪

https://hark-hark.com/minna/


特定非営利活動法人トモニトウ

身近な友に問いかけるような気軽さで、よりよい社会や未来の在り方を共に問い合いたいーそんな思いで、さまざまな立場の方々と教育や地域について考え行動する機会をつくります。

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