3月19日(土)、「ともに学ぶ」の第1回を開催しました。
「ともに学ぶ」は、地域の文化や活動等について体験や対話を通じて参加者が共に学び、知識を深めていくために企画するものです。
最初のテーマは茨城県常陸大宮市西塩子地区に伝えられてきた「西塩子の回り舞台」。今年何度かに分けて学びや体験の機会を準備します。
「西塩子の回り舞台」は、江戸時代後期の道具ものこる日本最古の組立式農村歌舞伎舞台です。
概要は、常陸大宮市のHPをどうぞ。
今回は、長年回り舞台の活動を支援してこられた茨城大学人文社会学部教授の西野由希子さんのコーディネートで、西塩子回り舞台保存会の大貫孝夫会長、常陸大宮市歴史民俗資料館の石井聖子さんにお話をいただき、どのように組み立てを再開して最初の公演まで至ったのか、当時の様子を伺いました。
大貫さんは、再建のための図面もなく教えてくれる人もいない中でどのように試行錯誤しながら舞台を組み立てたのかお話をしてくださいました。時代の流れに導かれて必要な出逢いを重ねながら、たくさんの人に支えられてきた回り舞台への愛情のようなものを感じました。
石井さんのお話からは、地道な聞き取りや古い書物の読み取り作業がどれだけ大変でまた貴重な働きであったかを感じることができました。壮大なドラマのようなお話でしたが、石井さんの語り口は軽やかで楽し気で、こちらの物語からもたっぷりの愛情が感じられました。
特に印象に残ったのは「今使える最善の道具を使う。どうしたらいいか考えながら進化していく」という言葉です。おそらく昔も、身近にあった道具を試行錯誤して効果的に使いながら活動は営まれ、その時々の創意工夫が歴史を作ってきたのだと思います。
昔のやり方に縛られるのではなく、表現の美しさを大切にしながらも時代にあった工夫も重ねて、「守る」とともに歴史を「創って」いく。
みなさんの語り口は穏やかで楽し気でしたが、その奥にはそんな気概を感じました。
西塩子の回り舞台について詳細は保存会のページをどうぞ。
ともに学ぶ西塩子の回り舞台編は、次回5月21日(土)開催予定です。
西塩子地区は、おいしいお米がとれることでも有名な場所です。現時点では、午前中田植えのお手伝い+午後勉強会の流れで計画を立てています。近くなりましたら詳細を案内いたします。
また、今回の内容は、活動に係る他団体との協働により、動画で保存しみなさまにもご覧いただけるようにする予定ですのでお楽しみに。
こちらが回り舞台設営予定のグラウンドです。
次回公演は、2023年秋。
その時までに西塩子の回り舞台に関するいろんなことを学べたら、次回公演は今まで感じた以上に特別な風景に見えること間違いなしです。
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