ともに話す#8「子どもの事実に始まり、子どもの事実に返る」

 オンライン対話イベント「ともに話す」は、気軽にご参加いただき、対話を楽しみつつ、目指すべき教育について考えることを目的としています。今年度は、子どもたちを伴走するとはどういうことなのか考え、ひとりひとりができることを見つけることを目指します。

 

 2月4日に実施した第8回「ともに話す」では、ゲストに木村泰子さん(大阪市立大空小学校初代校長)を迎え、34人の参加者が、ともに話し考え豊かな時間を過ごすことができました。

 この日は「子どもの事実に始まり子どもの事実に返る」をテーマに、泰子さんからの問いと心が熱くなるメッセージをいただきました。

・二項対立では解決できない問題⇒問いをきっかけに対話すること。

・「指導」の主語は大人⇒子どもの事実から教師が対話し「指導」を問い直す。

・学校の組織文化(空気)を問い直す

 捨てるもの:ヒエラルキー、前例踏襲、同調圧力

 つくるもの:すべての人が当事者、創造、違っていることが当たり前

・その日の子どもの事実に始まり子どもの事実に返す 

 ⇒新たな発想で、システムをシンプルに、チーム力を高める

 多様な立場で子どもに関わる私たち一人一人の心に刺さり、響くお話でした。

 その後、ブレイクアウトルームに分かれて、自分が今感じていること思っていることなどを対話しました。

 熱くなった頭と心の中を、言葉にすることで整理したり、話を聞くことで新たな気づきにつながったり。この対話の時間は、「ともに話す」の醍醐味と言える時間となっています。

 以下は、参加者した皆さんの感想です。(抜粋)

【対話を通した気付きや学び】

・同調圧力がある場所では人は本音で話せていない。子どもたちが本音で話せる場をつくる前に大人が子どもたちの前で弱さも見せて本音で話せているかが問われるのではないか。

・通訳のことについて問い直し、教師だけではなく、周りの大人みんなが、こどもをつなぐ(通訳)を手段にしたい。

・指導ではなく、子供たちとともにどうしたらいいのかを考えていけばいいのではないか。待つ姿勢が大切。

・環境や空気づくりを子供や地域の実情に応じて考えていくこと、そして、行動していくことが大切。

・先生の言葉が秀逸であればあるだけ子どもは考え、説得力が増すということ。

・学校は自分の学びを創る場である。

【これから意識したり取り組んだりしていきたいこと】

・問いかけ。思ったことはブツブツ声に出す。

・共通言語として「子ども主体」で考える対話をこれからも続ける。

・コモンセンスをもう一度客観的に見直す。そのためには、疑問を持つこととその疑問について恐れずに対話をしていきたい。まずは自分の固まった価値観を多方面でとらえ直す努力をする。

・大人たちが対話しながら相手を理解しようとして幸せな時間を作ることが、子どもたちへの安心につながると思うので、他の先生たちと職員室で子どもたちの話を前向きにしたい。

・主体的にかかわってくれる人を丁寧につないでいくこと。

 今回の「ともに話す」では、泰子さんの大空小学校での経験、「子どもの事実に始まり子どもの事実に返す」先生方の対話について具体的にお話いただきました。

 自身の経験や思いを見つめ直し、一人一人が今度の行動について考えるとともに、あらためて、対話の大切さと素晴らしさを感じることができた80分でした。

※令和5年度の「ともに話す」への多数のご参加ありがとうございました。

 次年度のご参加もお待ちしています。詳細が決まりましたら、ご連絡いたします。


特定非営利活動法人トモニトウ

身近な友に問いかけるような気軽さで、よりよい社会や未来の在り方を共に問い合いたいーそんな思いで、さまざまな立場の方々と教育や地域について考え行動する機会をつくります。

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